豚肉をおいしく食べるには『焼き』・『ゆで』どっちなんだろ?
料理のプロが討論!その内容とは?
いまSNSや料理サイトを中心に話題になっているのが、調理法や材料にまつわる様々な二大論争!
例えば、
■卵焼きの味付けは、『甘い派』・『しょっぱい派』
■料理で使い勝手が良いのは、『木綿豆腐』・『絹ごし豆腐』
■さつまいもの調理法は、『焼く派』・『蒸す派』
■とうもろこしの調理法は、『焼く派』・『ゆでる派』
などが話題にあがっているそうです。
そんな中、今回のテーマは『豚肉』で、料理論争をより深く検証すべく
一流料理人が徹底討論!
「科学」・「栄養」・「時短レシピ」とあらゆる角度からベストな調理法を検証!
今回の調理法は『焼く』と『ゆでる』。
番組では、『焼く』のプレゼンターが香音さん。
『ゆでる』のプレゼンターが和牛の川西さん。
調理と司会は和牛の水田さん。
街頭調査結果!「好きな豚肉の調理法は?」
街頭で「好きな豚肉の調理法は?」と調査した結果は?
■焼く 167人(72%)
■ゆでる 65人(28%)
というデーターが出ました。
『焼き派』プレゼンターの水島弘史さん
常識にとらわれない独自の化学的理論に基づいた料理のスペシャリスト『水島弘史さん』。
フランス三ツ星レストラン『ジョルジュブラン』でフレンチを学んだ料理研究家。
野菜炒め、ハンバーグなど全ての料理が弱火から作った方がおいしくなる理論が話題。
弱火調理法の達人と呼ばれている大注目の方です。
水島さんは、焼き派!
焼きは香ばしさがある。
ヘルシーというのがゆでると言われていて、脂が落ちているように見えるのですが、
実はそんなに落ちていない!
焼きは100度以上の温度になるので、脂を落とすなら焼きの方がヘルシー。
『焼く』→14%カット
『ゆでる』→10%カット
というデーターが出ています。
ゆでる派の意見としては、
●焼くとパサパサになってしまうのでは?
●調理を失敗すると焦げてしまう。
が出ていました。
達人は、
柔らかくするための焼き方。
香ばしさを出すための焼き方。
これを分けて考えるのが、焼きのポイントだという。
ポークソテーの調理法を伝授!
弱火調理法で超柔らか!
これを知れば豚肉は焼きでしか食べられなくなる!
焼きで大事なのは、低めの温度で温めるようにして中までしっかりと火を通すこと。
肉の中心温度が63度~65度くらい。
タンパク質は火が通る時に硬さが出る。
豚肉のタンパク質は約65度から凝固作用が始まり旨味の肉汁が流れ出る。
柔らかなポークソテーにするには、とろ火でじっくりと焼くのがベスト!
フレンチをやっていると肉焼きは「忍耐」と言われている。
材料(1人分)
豚肩ロース 100g
サラダ油 小さじ2
塩 適量
コショウ 適量
作り方
①豚肉に塩を振る。(0.9gの塩を両面に振る。)
食べた時においしいと感じるのは、人間の体の中と近い塩分。
だいたい0.9%前後と言われている。
豚肉の重さに対して0.9%。
豚肉100g → 塩0.9g
となる。
②フライパンにサラダ油をひき豚肉を投入。
とろ火でゆっくりと火を通していく。
温度が上がってくるとお肉から水分が出てくる。
水分が出てくると音がしてきます。
そうしたら火を止める。
フライパンの余熱で3分加熱する。
豚肉の中心温度を65度以上にしないことが柔らかく仕上げる秘訣。
豚肉に火が通ったか確認する方法。
お肉をトングで持ち上げた時、生だったら肉が曲がる。
火が通っていたら曲がらない。
仕上げに強火でフライパンを熱して、さっと表面に焼き色をつけ香ばしさが出たら取り出す。
③肉をフライパンから取り出して、コショウを振る。
コショウに熱を加えると風味が飛んでしまうので仕上げに振るのがベスト。
④お肉をカットしたら、ジューシーさが分かる。
豚フィレ肉のムニエルを伝授!
豚肉をよりジューシーにするバターを使った焼きの絶品レシピ
調理時間6分。
材料(1人分)
豚フィレ肉 3枚=120g
塩 適量
コショウ 適量
小麦粉 適量
バター 適量
作り方
①豚肉に塩・コショウ・小麦粉で下味をつける。
②フライパンにバターを入れて、とろ火で溶かす。
バターが溶けたらお肉を入れて低温加熱。
バターが使えるのは焼きだからこそで、
バターを使うとふっくらジューシーに仕上がる。
③両面をじっくりと焼き上げ肉汁を封じ込め、仕上げにフライパンのバターをスプーンでかけて加熱する。
豚肉に焦がしバターの香ばしさが付いたら完成。
『ゆでる派』プレゼンターの梁田 圭さん
ゆでる派プレゼンターは、香港で中華を極め今では銀座にある『新広東菜 嘉禅』の料理長。
中華の達人『梁田 圭さん』。
『マンダリンオリエンタル東京』・『マリーナベイ・サンズ』で腕をふるってきた名シェフ。
その料理は、香港&シンガポールの最先端が融合した進化した中華と呼ばれている。
ゆでる魅力は、水分を加えて柔らかくするのは、焼きよりも優れている。
豚足などを柔らかくトロトロにすることが出来る。
ゆでる調理法は低温調理が出来る。
お肉をしっとりジューシーに仕上げられる。
箸でも裂ける!角煮調理法を伝授!
本格シェフ直伝!
ゆでの調理法は100種類以上のレパートリー。
ジッパー付きポリ袋を使ってゆでる!
家庭でも再現できる柔らか角煮。
これを知ればゆで料理の虜に!?
材料(1人分)
豚バラ肉 300g
濃口しょうゆ 140g
上白糖 80g
料理酒 100g
ごま油 10g
しょうが 10g
作り方
①豚バラ肉は5㎝大にカット。
②鍋にお湯を沸かした中に30秒入れて湯通したら取り上げる。これで豚肉の臭みを消す。
③しょう油・酒・上白糖・しょうがをボールに入れて上白糖が溶けるまで混ぜる。
④ポリ袋に③と②を入れる。
⑤ポリ袋内の空気を抜くようにしてチャックをし真空状態にする。
⑥60度のお湯で湯煎する。(じっくりゆっくり3時間)
⑦3時間後にポリ袋から肉を取り出して皿に盛り付ける。
⑧ポリ袋内の合わせ調味料をフライパンで煮詰める。
⑨仕上げに豚肉にかければ完成。
塩豚とゴロゴロ野菜の中華風ポトフ
味が具材まで染みこむ。
材料(4人分)
豚バラ肉 300g
人参 1本
とうもろこし 1本
大根 1/2本
しいたけ 3個
塩 約10g
コンソメ 約10g
作り方
①豚バラ肉は5㎝大にカットする。
②鍋に水・コンソメ・塩を入れて味をととのえる。
③豚バラ肉・人参・大根・しいたけ・とうもろこしを入れる。
④弱火で1時間30分じっくり煮る。
肉や野菜の旨味がお互いに浸み込んで旨味が増すのは、ゆで料理のメリット。
⑤仕上げに風味付けでごま油を入れて完成。
『焼き派』プレゼンター 予約殺到!伝説の家政婦『マコさん』
出版した本が36万部の大ヒット!
ポリ袋を使った調理法で大注目。
「ポリ袋の魔術師」と呼ばれるスーパー家政婦の『マコさん』。
フライパン、グリル、バーベキューと調理法のバリエーションが多い。
おすすめの食べ方は定番の生姜焼き。
その他、豚肉の焼き料理は100種類以上のレパートリー!
トンカツ風の味を再現!新感覚の焼き豚料理
トースターで作るトンカツ風レシピ。
フライパンいらず!豚肉を で焼いた調理時間15分のレシピ。
材料(1人分)
豚ロース
トマト
塩
コショウ
パン粉 大さじ2
中濃ソース 大さじ1
マヨネーズ 大さじ1
おろしニンニク 小さじ1/4
作り方
①トマトを料理ハサミで半分にカット。
②アルミホイルを敷いた天板にのせて、塩・コショウで味付け。
③豚ロースに料理ハサミで3か所ほど切込みを入れて、天板にのせる。
④パン粉・中濃ソース・マヨネーズ・おろしニンニクを混ぜ合わせる。
⑤豚肉の上全体に④を塗る。
⑥トースターに入れて15分加熱(1000W)。
トマトのリコピンは豚肉の脂と一緒にとると吸収率がアップする。
同時に加熱することで、トマトの旨味成分も増え、焼いた豚肉との相性も抜群。
トンテキと玉ねぎマリネ
トースターで焼く豚肉料理。
材料(1人分)
豚ロース 2枚=200g
玉ねぎ 1/2個
焼肉のたれ 大さじ1
オイスターソース 大さじ1/2
すし酢 大さじ1
作り方
①ポリ袋に焼肉のたれ・オイスターソース・豚肉をいれてからめる。
ポリ袋を使えば手も汚れずに後片付けも楽チン。
②玉ねぎを串切りにする。
③天板にアルミホイルを敷いて①と②をのせる。
④トースターに入れて15分加熱する。
⑤焼き上がったら、仕上げにタマネギに酢をかける。
トースターで焼くことで、火加減の調整もすることなく、料理初心者でも超簡単に出来る。
『ゆでる派』プレゼンター 管理栄養士 渥美まゆ美さん
身体に良いレシピ本を多数出している健康レシピのプロ『渥美まゆ美さん』
栄養たっぷり15種類のスープから選べる『GREEN SPOON』のレシピを監修している。
健康に良く、おいしいレシピ開発のスペシャリスト。
ゆでる派の意見として、
ゆでるというのは360度から加熱されるので、均一に火が入り絶対に失敗しない。
最大限に豚肉のおいしさを楽しめる。
豚肉にはタンパク質や脂質もありますが、突出しているのが、代謝ビタミンのビタミンB群。
身体や脳の疲労回復、皮膚や毛髪の細胞の再生を助ける。
ビタミンB1含有量比較(100gあたり)
■豚もも肉・・・0.90㎎
■鶏もも肉・・・0.10㎎
■牛もも肉・・・0.09㎎
鶏もも肉・牛もも肉の約10倍も含んでいる。
ビタミンB群を効率よく摂るなら、ゆで汁を使って余すことなくする。
栄養満点!絶品豚肉のスープ
栄養の吸収率アップ!栄養満点の絶品スープを伝授。
材料(2人分)
豚ロース 100g
トマト 1個
卵 2個
酒 適量
オリーブオイル 適量
ニンニク 1/2片
片栗粉 適量
コンソメ 小さじ1
塩 適量
黒コショウ 適量
作り方
①豚肉に片栗粉をまぶす。
②酒を加えたお湯で約3分ゆでる。
お酒を加えることで豚肉の臭みもカット。
③肉に火が入ったら、取り出す。
④同じゆで汁400mlにニンニク・トマト・コンソメ・塩を投入。
トマトのリコピンは豚肉をゆでた汁と摂ることで吸収率アップ。
⑤トマトが柔らかくなったら、オリーブオイルと豚肉を再び入れる。
⑥仕上げに溶き卵かけて完成。
ふんわり豚肉のキムチ雑炊
ヘルシーだけど栄養満点。
コクうま雑炊の最強レシピを伝授
材料(2人分)
豚ロース薄切り肉 200g
塩 小さじ1/3
片栗粉 適量
ゆで汁 500ml(1品目の残り)
酒 適量
ニラ 5本
ニンニク 1/2片
キムチ 100g
ピザ用チーズ 40g
ご飯 360g
鶏ガラスープの素 小さじ1
作り方
①豚肉に片栗粉をまぶす。
②酒を加えたお湯で約3分ゆでる。
お酒を加えることで豚肉の臭みもカット。
③肉に火が入ったら、取り出す。
④ゆで汁にニンニク・ニラ・キムチを入れる。
ニンニクを入れるとビタミンB1の吸収率アップ。
ゆで汁を再利用して栄養を重ねる。
⑤ご飯・豚肉を加えて、仕上げにチーズをかけて完成。
〆っ!
今回、豚肉は「焼き」と「ゆで」の調理法のどちらが美味しいのか?
というテーマでしたが、どちらも甲乙つけがたい結果でした。
どちらも良い部分があり、その時に何が食べたいかということが大事だと思いました。
ただ言えるのは、焼きの方が圧倒的に調理法の種類が多いので人気があるという事です。
勉強になったのは、いままでは強火で焼いて旨味を封じ込めた方が良いと思っていましたが、
ゆっくり弱火で柔らかさと旨味ジューシーさを保った方が美味しそうだという事です。
今度、だれかにサラッと自慢げに教えてみよっと!(笑)